【1/15-21】「変わらなくていいんだよ」日向坂46ダイアリー#29

 

 1月15日から21日までに放送された日向坂46出演番組や出来事の感想です。濱岸ひよりのインタビュー、キョコロヒーとレコメン、小坂奈緒のブログなどについて書いています。このラジ、ほっとひといき、誕生日前のShowroom配信など佐々木久美ウィークでもありました。

 

 

はじめに(濱岸ひよりのインタビューについて)

 雑誌withのwebサイトに濱岸ひよりのインタビューが掲載されていてとてもおもしろかった。

濱岸ひより 坂道の向こうから | with digital(講談社)

 日向坂における自らの現状やこのまま進んでいった先のことなどがわりとシビアに語られており、普段あまりこういうことを話す印象がないので、正直驚いた。しかし、このような自らの「あまり何も考えてなさそう」なイメージについても言及している。

今までは上手くいかないことがあっても『まぁいいか、仕方ないよね』って、何も考えずに笑ってた方が気持ち的には楽だったんです。それに、辛そうな一面より楽しそうな自分を皆さんに見せた方がいいんじゃないかと思っていたけれど、結果的にファンの方にはヘラヘラしてる、何も考えてなさそうって見られることもあったりして。

生きていく上での精神的な姿勢及びその表現と、その受け取られ方に齟齬が生じてきているというか。その上で「変化しよう」の方向に話は進むのだが、それがポジティブな側面に埋め尽くされるのではない、変化のネガティブな側面にまで触れられているあたりに彼女の考えの深さだったり、それをそのまま吐露できる素直さを感じた。


『日向坂高校放送部』(1/14)


 佐々木久美ゲスト回。とくにシリアスな話をしているわけではないけど、軽やかな会話から2人の思慮深さみたいなものが垣間見えてめちゃくちゃ良い回だった。松田好花のくだけたような、ちょっと先輩をなめてる雰囲気まで引き出せるのはキャプテンだけじゃなかろうか。「くみてんずにありまとタイム」の話からメッセージの音声チェック体制のザルさを糾弾するくだりはおもしろかったし、この2人ならこういうちょっとした「裏側」をいじってもイヤらしくならない雰囲気があるなと思った。ひなこいアプリでのアフタートークも含めて楽しく、本格的にキャプテンのレギュラーラジオが待ち遠しい。

 

『日向坂で会いましょう』(1/15)

 【ツキで年女が決まるMidnight! 第1回ラッキーガール選手権!】

 4期生まで含めた全員でラッキーガールを決めるためのゲーム大会。4×2人でのロシアン月見団子対決では、スケスケわさび寿司対策としてわさびと同じ色のずんだを使うというケイマックスのニューアイデアが見られた。アイドルのわさび寿司的なものを観ると、普段芸人がやっている「リアクション芸」がいかに芸として高いスキルが必要とされるかよくわかるけど、それには及ばないまでもみんないいリアクションだった。そのなかでも、ひとくち噛んだ時点でわさびの匂いに気づいたのに直前に若林から「ギリギリまでバケツ我慢で」と言われてたので無言で我慢したあげく「…辛いですっ」となる平岡海月がとてもよかった。というか四期生は伝家の宝刀を持つ竹内も時間差の岸もおもしろかった。

 

『キョコロヒー』(1/16)

 言ってみたいセリフ劇場と齊藤京子の最近怒った話。京子一年ぶりの大激怒で何事かと思えば、一年前と同じ買い物時に後ろにいたギャルの発言に対してで、どこに怒りのトリガーあるんだとか、なんでギャルの再現そんなうまいんだとか、齊藤京子の「テレビで言える怒った話」のラインどこなんだとか色々あるけどおもしろかった。

 そして、キョコロヒーにおける齊藤京子って自らが労働者であることに意識的だよな、みたいなことをこのトークで考えた。「多少なりともストレスを溜めながらも毎日頑張って働いてる」と言っていたけど、仕事を含めた日々のしんどさにがアイドル本人から発信されることってあまりない気がする。そのなかで齊藤京子はキョコロヒーでたびたびこの種の発言をしていて、そういうところにテレビとかアイドルの枠を抜け出すような何かを感じ、見てて楽しいのかなと。

 

『レコメン』(1/17, 18)

 17, 18日は23時からレコメン四期生祭りとして、日向坂四期生が3人ずつ事前収録で登場し、17日の23時45分ごろからは加藤史帆が生放送で出演。

 まず四期生祭りの方は、17日は山下葉留花、宮地すみれ、渡辺莉奈が登場。3人とも緊張がやや感じられたものの、渡辺莉奈の落ち着きや山下葉留花の前に出る姿勢はすごかった。無茶ぶりされたかとしモノマネが3人ともうますぎてビックリした。はるはるの「2月で14歳になりまぁす」ってセリフも、レコメンでの13歳の設定に沿ってて細かい。彼女はレコメンに限らずこのラジも聴いてるみたいなこと言われてたし、そのへんの機転が効くのだろうな。

 18日は清水理央、正源司陽子、竹内希来里が登場。前日の3人に比べると緊張も大きいようだったし、始終キャッキャしてて若林の言い方で「なー、ヘラヘラだけはすんなよー」と言いたくなる雰囲気。でも正源司陽子のお調子者感や、竹内希来里の不思議な間合いはよく伝わってきた。この3人もかとしモノマネをふられたのだが、前日の3人に比べるとそれほどにてなく、やっぱりあいつらうますぎたのか…と謎の納得をしていた。

 かとしの方はというと冒頭から荒れ気味で、どうやら「陽キャ」に心無い感じで「笑っときなよ」みたいなことを言われ、「それが出来りゃ苦労しねーよ」みたいなことで怒っているらしい。たしかに自分の価値観や人生を何も知らない人に「あなたの日々の苦しみは笑っておけばどうにかなる」的な感じで「笑っときなよ」と言われたら憤慨するだろうし傷つくだろう。

 

『ほっとひといき』(1/20)

 佐々木久美が舞台で大忙しの佐々木美玲に変わってパーソナリティーを務める。キャプテンのお茶目なところと大人なところがうまい具合に出ていた。こういうお悩み相談的なのも良いし、最近見た映画や聞いた音楽や行った展覧会の話も多いと思うので、次回はそんな話も聞いてみたい。

 

『佐々木久美SHOWROOM配信』(1/20)

 1月22日が誕生日の佐々木久美による配信。とにかくくだらなくてとにかく楽しいおしゃべりと、それができるだけの「余裕」みたいなものを感じられる配信でめちゃくちゃ楽しかった。また、加藤史帆が途中から参加して彼女の一人称「しし」について話すくだりがとても良かった。かとしは昔から「『しし』って秘密だよ」と周りに言ってるにも関わらず、自分で言っちゃうという話から「変わんないよね」「変わんなくていいんだよ」と会話を交わしていたのが印象的。軽いおしゃべりの中に「人は変化しなければ、成長しなければ」みたいな規範を緩めてくれる言葉をサラッと言えるキャプテンは大人だ。

 

おわり(アイドルと「本音」、労働についての異議申し立てについて)

 キョコロヒーの齊藤京子、レコメンの加藤史帆の上に書いた発言を聴いてすごく良いなと思ったし、もっとアイドルがこういう事を話しやすい環境になればいいのになと強く思った。「こういう事」とは、「人生/生活/労働それ自体への異議申し立て」という意味で使っている。要するに、生きていく上で誰しもが避けることのできない根元的な物事に文句を言うことだ。もちろん毎日毎日繰り返される「生活」や「労働」を忘れさせてくれるような、それらを超越した何かをアイドルから受け取って元気づけられることも多々あるし、それにだってとても助けられている。しかし、一時的に忘れられたとしても「人生」はそこにある。それなら、もろもろを正面から見据えたうえで直接「ふざけんなよ」と文句を言ってくれる姿からだって、個人的には同じくらいエンパワーされるのだ。

 ただ、これをアイドルによる「本音」として消費してしまう危うさもあると思う。もっというと「本音っぽく響く言葉」ばかりをやたらと取り上げて、それ以外には重きを置かないようなやり方はとても不毛だ。(そういえば峯岸みなみがキョコロヒーで本音と消費についてこんなようなこと語ってたな…*1)。なので、個人的に言葉自体が「本音」かそうでないかという軸を持ち込まずにアイドルの言葉と付き合っていけたらなと思う。

 

おわり2(小坂菜緒のブログについて)

 小坂奈緒のブログがめちゃくちゃよかったので、ただただ引用します

剥がしても剥がしても、纏わりついてくる見えない何か。
でも、それは私にしか感じなくて
周りから見れば普通なんだろうな~って
その温度感に、心が熱を出してしまいそうになる。

2023年は、その纏わりついてくる何かを、うまく飾りにできるようにしたいです。
リボンでもいい、貼り付けてもいい、破って形を変えてみてもいい、装飾してみせたい。

小坂 菜緒公式ブログ | 日向坂46公式サイト

小坂菜緒ブログ「時の流れに逆らって」

 これも「本音」かどうかはどうでもよくて、ただただここで表現されている感情や決意が美しいなと思う。

 

 

*1:この記事のキョコロヒーのところで触れていたので参考に→

 

nakiusagi.hatenablog.com